100億ページもありそうなウェブに負けない,そんな電子書籍を作るためには,根本的な商売から変える必要がある。
松下社はこの秋を目処に電子書籍事業に参入する。パソコンやPDAでの閲覧より使い勝手のよい見開き型の液晶専用端末を開発し,ネットや書店店頭で約5000作品を読み込めるようにする。
電子出版ということが考えられ始めてから,ものすごい年月が経った。でも,専用デバイスであれ,パソコン・PDAであれ,それで文章を読む行為が定着したとは云えない。だが,読む価値のある文章を載せてるウェブページは,山とある。もしかしたら1日に文章を読んでいる量は,好きな本を買って読んでいたときよりも多くなっている,という人も多いかもしれない。
なのにウェブ上では文章をたくさん読んでいる,という気がしないのはなぜだろう? やっぱり本の重さ,紙の重さを感じないと,人は文章を読んだ気がしないんだろうか? でもそれは,意識の差,でしかない。ちょっとだけ意識を変えれば,読書することとはモニタ上のフォントを読み続けることになる。松下のは専用デバイスを必要とするということで普及しないだろうけど,胎動はもう聞こえている。もちろん,生まれたら当然,現在の音楽業界と同じような立場に立たされる。同じような間抜けなことをしないために,最初から今までの商売は成り立たないと考えてからスタートして欲しい。よい文章のために。
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